「ブラックホール」が見えた
2019.04.18
この新聞記事を読んで、今回のライプチヒ講座でベルリン訪問のさい、フリーマーケットで何げなく購入したアインシュタインのマグネット板(写真参照:はがきの半分程度)に書かれていることばを連想しました。日本語にすると多分「現実はたんなる幻想にすぎない」… 約100年前に一般相対性理論からブラックホールの存在が予言されていて、それが現実であることが証明された。アインシュタインはこの発見をどうとらえるのだろう。
世界は判らないことだらけですね。
そういえば、哲学界の”ロックスター”と言われるマルクス・ガブリエル(ボン大学教授。新実在論)は、「世界」は存在しないと言っています(TV番組より)。…「世界」とは「存在するものの全体」のことだとみな思っているが…客観的な「全体」など存在しない。渋谷駅前の交差点での彼の発言:ここは資本主義の心臓のようだ。欲望と欲望が重なり合っていて、まさに私の言う”意味の場”が交差しあっている。その一つ一つが真実だ。現実はこのように複雑で、決して全てを統一するなどできない。
何だか妙に納得できる彼のことば:子どもは誰でも哲学的な問いをもっているのですが、それを忘れさせられるのです。私たちは子どもに読み書きや数の数え方を教えます。それと同時に「考えないこと」を教えているのです…なぜ私たちは文字が読めるのに哲学的には考えなくなったのでしょうか?答えはかんたんです。私たちは過ちを犯しています。
そう、ライプチヒ学派の様々な知見や理論にしても、多かれ少なかれ「哲学」によって包まれている気配を感じるのです。しかし、それをドイツ人に尋ねても、(気配のせいか)本人も説明できないことがままあります。だから、哲学なんでしょうか。(高橋 記)