カオスの例;指運動
2019.07.03
鈴木さんのラグビーの話は興味深いですね。カオスの例を示すものとして「指運動実験」(下図)がライプチヒでは引用されています。
左右ヒト指し指のパラレル動作がシンメトリー動作にシステム変換するという例です。
パラレルに動かそうとしても、その意図に反してシンメトリックになってしまう…
また、渡り鳥(カモなど)の群は、まるで互いに意思疎通しながらきれいな三角形の隊列を成して、トップを替わりながら飛翔します。
また、そこには指示命令を出す「ボス鳥」はいないようです。
それぞれが自律的に動いている…
以上のことをスポーツトレーニング(運動学習)に関連付けるとどうでしょうか。
モーターアプローチ(演繹的かつトップダウンに類似すると思うのですが…)とアクションアプローチ(帰納的かつボトムアップに相通じる…)。
どちらが有効かは皆さん自身が判断することだと思います。
何だか目的や対象がないから無意味だと叱られそうですが、どちらも有効ですが、昔とは比較できないほど競技レベルが高度化している現在、指導者の資質の優劣は、いかに選手の自律性を誘発し誘導することに成功するかによって定まるのではないかと思うけど… 当然と言えば当然です。
じつに“重々無尽”(あらゆることが相互に無限の関係をもって一体化し、作用しあうこと=仏教の華厳経)ですね。
これは、「情報とエネルギーの一体性」にも通じる。
情報とエネルギーは相互に条件づけあって一体化している。
バランスとアンバランスは相互に条件づけあって一体化している。
そのような対峙の如何に応じて人は動き、そして速く走れるようになる。
成功と失敗も然り…
(高橋)